安永 憲司 Kenji Yasunaga

[情報理工学院 数理・計算科学系/准教授]
安永 憲司

暗号や計算を
数学的に見てみよう

暗号技術や誤り訂正符号などを題材として、
理論的にできることとできないことの際を明らかにする研究を行っています。
計算能力・意思決定・モデルに制約があるとその際も変わります。

MAIL
yasunaga@comp.isct.ac.jp
HP
https://tcc.c.titech.ac.jp
所在地
大岡山キャンパス 西8号館W棟 1004
主担当系・コース
数理・計算科学系 数理・計算科学コース
研究キーワード
暗号理論、符号理論、理論計算機科学

「研究室の研究テーマ」

本研究室では、暗号技術や誤り訂正符号などの理論計算機科学の各種技術に関する研究を行っています。計算することを数学的に記述したとき、なにが実現可能でなにが実現不可能なのか、その境界を探ることに興味をもってとり組んでいます。

セキュリティの定量化

暗号技術の安全性を評価したいとき、現時点で知られている最も良いアルゴリズムを踏まえ、安全性の程度を見積もります。一般的にビットセキュリティと呼ばれている安全性の強度を表す指標について、操作的な意味をもつ量として定式化する枠組みを与えました。提案した枠組みでは仮説検定の理屈から、次数 1/2 の Rényi 情報量で評価すべきという結論が導かれました。これまでの安全性解析をどのように見直せばよいのか(より良い解析手法はあるのか)という点に興味を持っています。

ゲーム理論的な安全性をもつ暗号プロトコル

暗号プロトコルに参加する人は、設計どおりにプロトコルに従う正直な人と正直な人が実現したいことを邪魔しようと攻撃する悪者のどちらかでモデル化されることが多いです。この二つのタイプの中間的な存在をゲーム理論の意味で合理的なプレイヤーとしてモデル化して安全性を議論するのがこのテーマです。例えば、プロトコルに不正行動を検出する仕組みがあるとき、それを回避するように行動する攻撃者は合理的なプレイヤーであり、このような攻撃者に対して、従来よりも低コストでプロトコルを実現する可能性を探っています。

誤り訂正符号

誤り訂正符号を簡潔に述べると、良い構造をもつ単射関数 Enc のことであり、Enc(0···0) から Enc(1···1) が互いに離れていれば、Enc(m) に誤りが発生しても元の m に一意に復元できます。ランダム関数は高い確率で優れた(互いに離れた)符号を与えますが、再現性がないため、ランダム関数のように振る舞う「擬似ランダム」な関数の設計が良い符号の構成に繋がります。暗号技術を用いた擬似ランダムな符号の設計、量子ノイズ耐性のある符号の実現法などに興味があります。

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